HSPカウンセリング 面談事例
なおみさん(30歳/既婚 子ども1人/心療内科未受診)
【個人特定ができないように事例の個人情報は加工しています。】
ファッションが好きな、なおみさん。
高校を卒業後、東京のセレクトショップにて洋服販売員の仕事をスタート。
接客業は楽しかったけれど、店長がパワハラ気味。
なおみさんは、子どもの頃から「怖い人」「強めな人」が苦手。
他の店員が店長に怒られている姿を見ると、まるで自分も怒られているような、「私も嫌われてしまうのでは…」と、とても怖い気持ちになりました。
毎日店長の顔色を伺い、失敗することが怖く、心が不安定に。
会社を退社したかったけれど、店長に「辞めます」と言うことさえ怖くてできません。
26歳の結婚を機に、表向き円満退職をしました。
その後、出産。子どもが1歳になる頃、アルバイトを始めました。
化粧品美容部員、café店員、スポーツジムの受付。
しかし、どのバイト先にも「強い人」がいて、「ミスをしたらどうしよう…」「私は嫌われているかもしれない」など、以前のパワハラ店長との関係がフラッシュバック。
バイトは長続きしません。人前で泣いてしまうこともありました。
強い不安感から過剰な手洗い、確認行動などの強迫傾向、人と会うことが怖いななど対人恐怖傾向が見られました。
仕事ができない、人とうまくできない自分はダメな人間だと、自分を責め続けることに苦しさを感じ、ママクレアにご来談しました。
カウンセラーは、なおみさんの今までの職歴、仕事でのエピソード、幼少期体験など、なおみさんの「30年間」を詳細にヒアリング。
HSPの傾向を確認するとともに、なおみさんの過去の体験から根付いた「思い込み」を抽出しました。
カウンセラーからの提案
①カウンセラーはなおみさんのHSP気質を丁寧に説明。
なおみさんのケースは実母にHSP気質がみられることから、遺伝によるHSP気質が考えられました。
②「職場の人との適切な距離間」を身に着けることを提案しました。
カウンセラーは「HSPの人間関係は、距離感が近いほど心の揺れが大きくなる。なおみさんは、職場の人との適切な距離感、一定の距離感の保ち方を身に着ければ、居心地よく仕事ができる」とご提案。
なおみさんは「人とうまくやるには、人との距離は近い方が良い」「相手の機嫌を損ねたら、私は嫌われる」と30年間思い込んでいました。
必死に人に近づき疲弊するを繰り返していたなおみさんは、カウンセラーの提案を聞き、楽に生きることができる改善の方法があることを知り安心しました。
なおみさんの実践
なおみさんは継続来談をご希望されました。
カウンセラーはなおみさんに、「日常での出来事、感じたこと」「職場での出来事、感じたこと」などの簡単な日記をお願いしました。
カウンセラーは、なおみさんの改善点を無理のない範囲で少しずつご提案しながら面談を重ねていきました。
面談のなかで、カウンセラーは、なおみさんと一緒に「なおみさんに合う仕事は何か」を考えました。
その結果、なおみさんは自分の意思で仕事を退職し、転職活動をスタート。
なおみさんは、農業のアルバイトに就業。面談は終結となりました。
農業の仕事は人との接触が少なく、なおみさんが好きな植物と関わる仕事。
農家の方々も穏やかな方ばかりで、心優しいなおみさんにとっては居心地のよい職場のようです。

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