カサンドラカウンセリング 面談事例
事例①きみこさん(54歳/既婚 子ども3人/心療内科通院中)
【個人特定ができないように事例の個人情報は加工しています。】
きみこさんは結婚30年。夫とは大学時代から交際をして24歳で結婚しました。
大学生のとき夫の印象は「彼は変わった人だな」「この人と交際できるのは私くらいしかいないだろう」「彼は海外でもひとりでどこでも行けるなんて、すごく行動力のある人だな」と感じたそうです。
結婚し、子どもが生まれました。きみこさんの出産後、夫の態度が変わりはじめました。
子どものお世話をお願いしても、新聞を読みながら「ただ見てるだけ」。
子どもの進学について相談しても、「キミに任せるよ」と無関心。夫が興味あるのはパソコンだけ。
「家庭について話し合いたくても、夫はすぐに黙ってしまい、自室に逃げ込む。話し合いにならないんです」ときみこさんは言います。
夫にわかってほしくてきみこさんは歩み寄ろうとしますが、夫は不機嫌になるばかり。夫の機嫌を損ねないよう、夫のルーティンである帰宅時間、食事時間、入浴時間、嗜好品などに気を配り生活をしています。
実母に相談をしても「彼は怒鳴ったり、叩いたりすることはないでしょう」「お給料もちゃんと渡してくれて、いい生活できているでしょう」と、きみこさんの息苦しさを理解してもらえません。
いつしかきみこさんは「夫は正しくて、おかしいのは私ではないのか」「私が病院に行くべきだ」と思い、心療内科に通院をはじめました。
心療内科に通院していることを友人に話した際、友人は「それってカサンドラかもよ」。きみこさんは初めて「カサンドラ」をいう言葉を知り、ママクレアにご来談されました。
カウンセラーは、ご主人の性格、日常でのエピソード、父子関係など、きみこさんの「結婚30年間」を詳しくヒアリング。
夫にはアスペルガー特性の傾向があり、きみこさんはまさにカサンドラ状態でご苦労されていることをお伝えしました。
(医療機関ではないので、診断はできません)
カウンセラーからの提案
①カウンセラーは一般的なアスペルガー特性の傾向(アスペ系夫は判で押したように、みな似た行動をとります)を、きみこさんにわかりやすく説明しました。
アスペルガー的思考回路や、アスペルガー的行動パターンなど、それはどれも夫の行動にあてはまり、きみこさんは驚いていました。
一方で、「私はおかしくなかったんだ」と安堵の涙を流しておられました。
②カウンセラーは「アスペ系夫の取り扱い方法」を提案しました。
カウンセラーはアスペルガー当事者なので、アスペ系の夫の思考回路がよく理解できます。
「アスペルガーとのコミュニケーションにはコツと距離感が必要です。コツさえつかめば、夫との生活を継続できます」ときみこさんにご提案しました。
クセの強い夫と、どう関わっていいかわからなかったきみこさんは、夫との関わりのコツがあることを知り安心しました。きみこさんは、夫との離婚は望んでおらず、夫婦ともに生きることをご希望されていました。
きみこさんの実践
きみこさんは継続来談をご希望されました。
カウンセラーはきみこさんに、「夫との日常での出来事、感じたこと」「夫の様子」などの簡単な日記をお願いしました。
カウンセラーはきみこさんが来談する前に、日記情報をもとに、事前に夫の行動を分析します。
事前に分析した結果を、面談できみこさんにお伝えします。
日記の記録にある夫との具体的なエピソードに対し、カウンセラーは「この場合は、このように対応してください。」と、ケースごとに、具体的なアスペ対応マニュアルをお伝えしました。
面談にて、具体的なエピソードごとに、具体的な対応をご指導。
きみこさんが日常で実験する、その結果を日記にしてメール送っていただく。
その情報を事前に分析。次回面談にて、うまくいくやり方を確定していく。
しだいにきみこさんは夫の取り扱いをマスターしていき、来談終了となりました。
現在、きみこさんは、夫と適度な距離を保ち、心の安定を保っています。
「夫のことより、自分のこと」をモットーに、以前から興味のあったピアノ教室にも通いはじめました。
先日、きみこさんのピアノの発表会がありましたが、なんと、夫が発表会を見に来た、とのことです。(発表会の後、一緒にランチをして帰宅した、とのことです。)
事例②恭子さん(45歳/既婚 子ども2人/心療内科通院歴なし)
【個人特定ができないように事例の個人情報は加工しています。】
恭子さんの夫(48歳)は、いわゆるモラハラ夫。
夫は感情調節が苦手で、興奮すると多弁傾向、もしくは、妻や子を罵倒します。
妻や子が楽しそうにしていると、夫はかならず、楽しい気分を壊してきます。
「飯はこれだけか」「片付けをしろ」「お前はほんとにバカだな」「金の使い方が悪い」
夫がいつ、何で怒りだすのかわからず、恭子さんはいつも夫の顔色を伺い、家庭には緊張感が漂います。
いつしか恭子さんは、原因不明の不調を繰り返すようになりました。夫に叱られてばかりの私は本当にバカだ、すべて自分が悪い、すべて私がガマンすればいいと、自分を抑圧することで家庭を守っていました。
カウンセラーは、夫の生活状況と性格傾向を詳しくヒアリング。
夫に、ADHD特性の傾向があり、その特性ゆえのモラハラが起こっていることを恭子さんに説明しました。
(医療機関ではないので、診断はできません)
恭子さんは「説明されたところで夫の暴言は無くなりません」とあきらめ気味。
カウンセラーからの提案
カウンセラーは「恭子さんは、夫が『いつも怒っている』と感じ、いつも漠然とした不安の中で生活をしていますが、ADHD系夫が「何で怒るのか」「どのタイミングで怒鳴るのか」「どう対応すれば被害が最小限ですむのか」を攻略すれば、対応する焦点が定まってきます」と説明。
恭子さんは「たしかに、いつ怒るかわからないから、毎日ビクビクしている。夫の怒りポイントがわかれば、ピンポイントで対応できるかも」と納得され、継続面談をご希望されました。
恭子さんの実践
カウンセラーは恭子さんに、「夫との日常での出来事、感じたこと」「夫の様子」などの簡単な日記をお願いしました。
カウンセラーは恭子さんが来談する前に、日記情報をもとに、事前に夫の行動を分析します。
事前に分析した結果を、面談で恭子さんにお伝えします。
日記の記録にある夫との具体的なエピソードに対し、カウンセラーは「この場合は、このように対応してください。」と、ケースごとに、具体的なADHD対応マニュアルをお伝えしました。
面談にて、具体的なエピソードごとに、具体的な対応をご指導。
ADHD暴言系夫の場合は「妻が生ぬるくかわしていく」が対応のポイント。
恭子さんが日常で「生ぬるく」を実験する、その結果を日記にしてメール送っていただく。
その情報を事前に分析。次回面談にて、被害が最小限におさまったやり方を確定していく。
このような対応を実践していくうちに、夫の様子に大きな変化がみられ来談終了となりました。
夫は自分でお皿を洗ったり、掃除をするようになりました。
恭子さんは「夫を生ぬるくかわす」を見事に習得。
夫の暴言が軽減し、「夫のことは、もう何も怖くない」と恭子さんは言います。
現在、恭子さんは3か月に1回ほど定期的に来談され、夫との経過をご報告くださいます。
恭子さん曰く「定期面談は以前の弱気な自分に戻るのを事前にとめたいから」とのこと。
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