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HSPと発達障害 2020/9/23


こんにちは。カウンセラーの松島です。

私のカウンセリングでご相談いただく、よくあるケースをご紹介します。

クライアントAさん/32歳

「会社を辞めたい気持ちです。職場がとても居心地が悪いのです。

私の上司は、しばしば不機嫌になります。上司の不機嫌は私のせいではありませんが、なぜか私は、とても緊張します。

そして、同僚の仕事のやり方もとても気になります。同僚の仕事が雑に見えて、私はこっそりと手直しをしています。そのため、いつも気づいたら、私だけ仕事の負担が増えています。

また、今の窓際の席もつらいのです。私にとっては日当たりが良すぎて、そのくせ、エアコンの風が直撃するので、落ち着いて仕事に集中できません。

仕事は慎重なので大きなミスは今までありません。

人間関係は得意ではありませんが、相手の気持ちを察するよう努力しているので、今まで人間関係でも大きなトラブルはありません。

人生で大きな困りごとはないのですが、いつも、何かで頭がいっぱいです。

毎日、仕事から帰るとぐったりします。

私はいつも、見えない何かに追われている感じがします。

私は発達障害でしょうか。こんな理由で会社をやめたくなるのは間違っていますよね…。」

Aさんは会社で適応できず、自身は発達障害ではないだろうかと不安を感じ、当方に来談されました。

たしかにAさんの困りごとは、発達障害の特性と一致する部分は多々あります。

しかし、具体的に大きなトラブルはなく、むしろ、気を遣いながらも、人間関係や仕事の出来は良好にも見えます。


また職場だけでなく、ご夫婦関係・ご家族関係・ママ友関係・地域コミュニティなどのフィールドでも、Aさんのケースに似た困りごとのご相談はよくあります。

私のカウンセリングに来談される5割の方は、このような「人に迷惑をかけていないし、人間関係でトラブルもないけど、なんだか、とても生きづらい」というご相談です。

私は答えます。

「大丈夫です、安心してくださいね、それ、発達障害ではなくて、HSPですね」


最近、ネットやテレビでも「HSP」というキーワードをよく見かけるようになりました。

HSPとは一言でいうと「繊細すぎる人」。

周囲の空気を読みすぎる。感じる力が強い。などの特徴があります。

HSPの特徴は、発達障害の特性と、とても似ています。


【HSPと発達障害 似ている特徴】

・感覚過敏。音・色・光・匂いなど過敏に反応する。

・ソワソワする。落ち着きがない。

・物事や考え方に対するこだわりがある。内面的には頑固。

・小さな変化に気づく。変化に弱い。

・ひとつのことを丁寧にやりたい。

・情報がいっぱいすぎると頭が混乱する。

・人間関係が苦手

などなど

特徴が似ているため、医療現場でも、その違いをもった特定診断はとても難しいとされています。

私は、アスペルガー当事者で、また、発達障害・グレーゾーンの女性と日々面談をしているので、HSPと発達障害の違いが、なんとなくわかります。

【HSPと発達障害の違うとこ】

・発達障害さんは基本的に空気を読めません。空気を読む努力をする発達障害さんもいますが、だいたいその読みはズレているため人間関係にトラブルがでます。しかし、HSPさんは、しっかりと空気を読みます。そして、その読みは正解なので人間関係に大きなトラブルはありません。しかし、空気を読みすぎるので、とても疲れます。

・発達障害さんは相手の言った言葉を「言葉のまま」受け取って、そこで終わります。しかし、HSPさんは、相手の言葉の本音を読み取ります。そして、読み取りすぎて、相手の望む行動をとろうと努力するため、すごく疲れます。

・発達障害さんは衝動性があります。仕事は自分の感覚を基本にしており、パッと動きすぎてミスをしたり、または、やりたくない気持ちが先回ってしまい期限を守れずトラブルになる、などの傾向があります。一方、HSPさんは、仕事はとても慎重です。衝動性はなく、考えすぎるほど考えて仕事を行うので、仕事にほとんどミスはありません。

・発達障害さんは自分も困っているけど、相手も困らせている現状があります。一方、HSPさんは、自分は困っているけど、周囲の人には迷惑をかけていません。むしろ「いい人」として、信頼されている場合も多々あります。

発達障害とHSPの違いを医学的な視点からいうと

●発達障害は「脳の機能障害」

●HSPは「気質」

気質とは、親から譲り受ける「遺伝的要素」とされています。

発達障害の「ソワソワする」、のは、脳の機能障害が原因。

HSPの「ソワソワする」、のは、外部刺激を過剰に感じることが原因。

ということになりますね。

でも大丈夫!

ご自身が「HSPかも…」と思われたら、以下のことを試してみてくださいね。

★音・色・光・匂い…どの感覚が一番つらいでしょうか。まずは、一番つらい感覚を見つけて、そこをフォローしましょう。私は、音と光にとても弱いです。光は色付きのメガネ、音はヘッドホンや耳栓を使い、感覚をフォローしています。

★HSPさんはとても疲れやすいです。連休など、連日の外出やイベントが続くとぐったりすることがあります。HSPさんは、楽しい予定の次の日は「ゆっくり休める日」にしてください。

★苦手な人からは離れてください。苦手な人には「挨拶」と「報告」だけちゃんとしていればOK!みんなに好かれようとしなくても大丈夫。あなたの真面目で優しい人柄は、周囲の人はちゃんと知っていますよ。

発達障害にしても、グレーゾーンにしても、HSPにしても、生きづらさを抱えています。そして、その困りごとは、その人それぞれに違います。

あなたが、今まで、いろんなことを試して、それでも、生きづらさが改善できないのであれば、一度、一度だけでもいいから、専門家に頼ってみてください。

あなたの、あなただけが感じている困りごとを、カウンセラーが丁寧に紐解き、あなたに見合った改善策を一緒に考えていきます。



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